《報告》とうほくNPOフォーラムin仙台2022 分科会 A

開催報告

分科会 A

地域の人材(人財)は本当に不足しているのか?
―視点を変えれば世界が変わる!地域を巻き込む「人」の力―

 

【登壇者:一般社団法人まるオフィス学び企画コーディネーター:三浦 亜美氏】
高校生時代に2011年東日本大震災をきっかけに、2012年に「気仙沼を若い力で盛り上げたい!」と一念発起し、高校生による団体を発足。仲間と一緒に地域を探求し観光リーフレットを発行した。大学への進学と就職によって地元を離れていたが、高校生時代の「仲間と何かを成した時の喜び」を思い出し、また新たに活動をするべく気仙沼に帰郷した。現在は中学生をメインに、探求学習の場を提供している。

【登壇者:NPO法人チームふくしま代表理事:半田真仁氏】
広島市生まれ、環境的に「平和」の重要性を学びながら育つ。
仕事で福島県に移住後、東日本大震災が起きる。同時期に福島を元気にするための事業を思案し「同情される福島から、尊敬される福島になろう」という志のもと活動を行なっている。

三浦さんはUターンを決断した動機について、「気仙沼市の文化を大切にしつつ、新しいチャレンジを行いたかった」と考えていた折に、それを「歓迎してくれる町に期待と魅力を感じた」ためと話し、高校時代より時間をかけて培った地元や地域住民との交流がUターンの機会創出につながっていると話した。
帰郷後、気仙沼市のふるさと納税の企画に新しい人材の層を設けることが出来、新たに地域の若者や中学生が加わる機会を創出したことで、ふるさと納税の企画が活発化している。

「活動をする上で心がけているポイントについて」

三浦さんは、声をあげることと声を共有する場の重要性について述べており、地域に点在する一人ひとりが場を通じて集結することで、近しい取り組みをしている人とつながる機会が生まれたり、多様な視点が集まることで課題を多面的に捉えることができたり、また、つながりから連携が起きればエンパワーメントの創出につながるため、麺としての効果が期待できるようになる、といった内容を述べた。

一方、半田さんは、活動で大切にしているマインドについて話され、恩師に云われた「カリスマを作らないこと」「Iではなくwill」で考えること等、トップダウンで解決されてゆく形式ではなく、全体で考え活動することの意義について話された。また、活動への参加者がチェンジメーカーに発展することを意識している。NPOとして、集った人をマンパワー(人員)としてだけ活用するのではなく、適切に人材のマネジメントを施せば生産的な人材(人財)に変わる旨を話した。

両登壇者は、楽しんで活動している大人との出会いがアクション  の起点につながっている点を上げ、共通の経験として「誰かのために活動した貢献意欲の経験」があることがわかった。

まとめ
「人材(人財)の不足」というワードに対して両登壇者は「人材(人財)」を調達する方法が異なっており、三浦さんは 高校時代から現在までのつながりをプログラムに乗せたことで新たな若者層の調達へと獲得の広がりをみせ、半田さんは、活動への参加に関心を持っていただけるようプロモーションや、人材として加わった後も良好な関係性を保てるよう組織の制度設計にも余念がない。また両者ともに「足りないから補う」という視点だけではなく、活動の発展や展開、楽しいかどうか、といった視点や感覚を参加者の動機に加えられるよう考慮していることがうかがえた。

 

 

 

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